アルコール消毒のメカニズム、原理

 
■アルコールで消毒(ウイルス・細菌を除去)できるのはなぜか?
  • ウイルスや細菌の中には外側の殻(エンベロープ)を持っていて、溶かして、中身を溶出させるから。この効果は、アルコールの濃度70%くらいが最も高く、それより低くても高くても良くない

  • 外側の殻(エンベロープ)を溶かせるのはなぜか?ウイルスや細菌の外側の殻(細胞膜)は、脂質やたんぱく質でできていて、これがアルコールに溶けるから
  • 逆に、外側の殻(エンベロープ)を持たないウイルスには、アルコール消毒は原理的に効かない→例えば、アデノウイルスノロウイルスロタウイルス

 

■消毒用アルコールって何?

 

■消毒用アルコールはどうやって作られるのか?
  • 工場で作られる。エタノールなら、エチレン(C2H4)の直接水和法という方法
  • エチレン(C2H4)はどうやって作られるのか?→石油化学工場で作られる。具体的には、ナフサに水蒸気を加え、800~900℃でナフサを熱分解して作られる(エチレンプラント)。ナフサは石油を常圧蒸留装置で分留して得られる
  • また、お酒に含まれるエタノールは、↑のような石油から合成されるのではなく、酵母による糖の分解(嫌気反応)で得られる